今、身の回りの様々なものをぼちぼち断捨離中ですが、
その中には今まで録画したまま見ないで放置していた
映画やアニメ、音楽番組などなども含まれます。
そしてその中の『ベルリン・天使の詩』という古い映画を
この前ようやく見終わりました。
ネタばれ含んでいるので、それが嫌で引き返す方のために
少し大きな広告を張っておきます。
1978年公開のフランス&西ドイツの合作映画
ヴィム・ヴェンダース監督、主演はブルーノ・ガンツ
あらすじをざっくり説明るすると
はるか昔から天使は人間たちを見守っており
ガンツ演じる天使の一人ダニエルがある女性に恋をして
天使をやめて人間になるラブストーリーです
天使と言っても宗教画に出てくるような天使ではなく、
この時代のベルリンに住む人間と同じようないでたちです。
天使さんたち、人間の風俗をよく観察して真似をしているのですね。
この映画の原作を考えたのは
キリスト教文化圏の方でしょうが、
「般若心経」の知識もあったのではないだろうか?
と、思ってしまいました。
「般若心経」とは唐の高僧三蔵法師が
天竺(インド)から持ち帰った経典で、
彼の唐から天竺(インド)への苦難の旅は
フィクションではありますが
「西遊記」という伝奇物語で語られている内容が有名です。
その主人公の孫悟空が
人気漫画ドラゴンボールの主人公のモデルになっていたり、
私たちの世代では、堺正章さん(孫悟空)や夏目雅子さん(三蔵法師)が
出ていたドラマが記憶に残っています(*'ω'*)。
話がそれましたね。
「般若心境」のなかに「色即是空 空即是色」という言葉があります。
「色」とは実体のあるものすべてを表し、
「空」とは逆に実体のないもの
この映画の中に出てくる「天使」はまさしく「空」なるもの、
人々を見守り、頭の中で考えていることまでわかっちゃったりするのですが、
話しかけることはおろか触れることもできない、
まれに勘のいい人間が自分のそばに寄り添って
励ましてくれる見えない存在を感じ取ることができるようだけど
天使たちにはそれ以上のことはできないのです。
物語は天使の視点と人間の視点とが交互に切り替わるのですが、
天使の見えている世界には「色」がなく、
天使ダニエルは人間になって初めて、
人間が見ていた「色」というものがどんなだったか自身で感じることができ、
他にもいままでは実体がなかったがゆえにわからなかった
様々なものの感触を触れてみて知ることができるのです。
私レベルの解釈にすぎませんが、
仏教における悟りは「色」(実態のあるもの)への
こだわりを捨て去ることでもあるけど、
この映画ではその逆を行っているのですね。
五感を持って体験することの貴重さ、
それを味わってみたいと思うきっかけは
天使ダニエルの場合「恋」だったわけです。
もっとも、実体のあるもの「色」すなわち、ないもの「空」だけでなく、
ないもの「空」すなわち、あるもの「色」でもあって、
一方通行ではない、う~ん、深いなあ(*'ω'*)。
余談ですが、今日11月9日はベルリンの壁が崩壊した日です。
☆本日の癒し~モフモフ~☆
子ワンコをモフれるのも実態があってこそ♡