前回のストーリー👇
C国で発生した病のせいで人間とともに暮らす猫にまでとばっちりが及び、
大量ギャクサツされる事態が起こった、その対策を講じるため
古今東西、時間も空間もあるいは次元すらも超えて
様々な猫たちが集い、そこに何の変哲もない猫マオも参加することとなった。
マオはその会場で自称有名猫のTと出会う。
議長猫が威厳を示すかのように咳ばらいをし、そして言った。
「え~、本日はご多忙の折お集まりいただき(;^ω^)…。」
猫に建前や世間体など通じない、
上司の顔を立てるためだけの誰も聞きたくない結婚式のスピーチや
生徒が貧血で倒れても続けられる校長先生の長話のような、
むだなあいさつに猫たちが忍耐を見せることなどなかった。
会場にいる猫たちは議長を注視せず、
ちゅ~るをなめたり、隣り合った者同士で談笑するだけであった。
「議長、あいさつはいいので、本題に…。」💦
一緒に入場し後ろに控えていた部下猫に議長猫は促され、
そして本題に入った。
「要するに下僕どもがもっと我々の愛らしさにメロメロになればいいのですよ。」
「いや、下僕はすでにメロメロだから下僕というのであって、問題はまだそうなっていない人間のほうにあるのではと。」
「でも、被害にあったのは主に下僕持ちの猫たちでしょう。」
さっそく意見が噴出した。
皆が口々に意見を口にする中、
わざわざ挙手をして発言を求める猫がいた。
議長はその猫を指さし意見を言うのを許可した。
会場にいる猫たちもそれぞれが意見を言うのをやめその猫に注目した。
「我らがねこ族はその愛らしい容姿とツンデレな性質を駆使して
にんげん族を攻略し100パーセントではないものの下僕化に成功してきました。
ただ今回の案件はそれだけでは不十分であり、
病に対する恐怖は我らの魅力を凌駕するものだったのです。
それゆえに今回の悲劇が起こりました。
なのでさらなる悲劇を防ぐためには下僕たちに
我らが病とは無縁の存在であることを知らしめなければ意味がないのですよ。」
大柄でよく手入れされた毛並みのセレブネコは
ここまで一気にしゃべって一呼吸置いた。
「と、いうと?」
議長猫がさらなる発言を促した。
「下僕なるにんげんたちは外に出て
自分たち以外のものと接触するのを現在非常に恐れております。
外に出ればウイルスなるものをつけて感染するのではと。
なので今まで自由に外に出ていた猫もしばらくの間外出を自粛し、
いえ、自粛というお願いレベルでは、ねこ族の性質から考えると
言うことを聞かない輩が大勢出ると考え、
ここは大本なる組織から「外出禁止」を命じ、
違反した者には罰則を与えるようにすればいいのですにゃ。」
「え~それはちょっと困る(;゚Д゚)💦…、
外ってあの壁のある家の外のことでしょう、
そこだって縄張りの一部なんだからパトロールは欠かせないし、
それに僕がパトロールしているからモグラの害が少なくなっているって
下僕たちだって感謝しているんにゃぞ。」
マオは言った、しかしこういう場での発言に慣れていなかったせいで、
「そこ、私語は慎むように('ω')ノ!」
と、私語扱いされ注意されてしまった。
するとおもむろにマオの隣りにいたTが立ち上がり話をしだした。
「たしかに外出しなくても生きていける立場の者にはそれが可能でしょう。
しかし、我々の中には外出し仕事をこなしている者もいるわけで、
たとえば私ですけど、もし私が家の外のパトロールを怠れば
まあ、うちには下僕が老若男女七人もいるのですが、
もし彼らが住まう敷地内に別の猫などがはいりこみ、
きゃつらが下僕のおかずである魚を拝借してしまったときにゃ、
その家の特に長女ですな、すでに子供も産み、
いい加減落ち着いたらいい年ごろにもかかわらず、
はだしのまま外まで追っかけて行って近所の笑いものになったりするわけですよ。
私はそれを避けるために日夜下僕たちの家の敷地の
外のパトロールも欠かせないわけで…。」
立て板に水のごとく等々と説明した。
「そうだそうだ、引きこもり猫が自分たちの都合ばっかしゃべるな!」
「引きこもりってにんげんの世界ではネガティブワードでしょ(; ・`д・´)!見た目の超絶かわいらしさで家にこもってられる私たちをそんないい方しないでほしいにゃん!」
「いやあ、それにしても下僕たちが全員一日家にいるせいで一匹でのんびりできる時間が無くなり、私はくたくたニャ"(-""-)"。今まで外に出たことなかったけど、外に逃げたくなっているのが現状にゃん…。」
各々の猫が口々にそれぞれの境遇を語り始めた。
収拾がつかなくなるかと思われたが
Tがおさえておさえてというジェスチャーをしたのち再び話を始めた。
「そもそも、この集会の運営元である組織は、
猫に狼藉を働くにんげんを罰することはできても、
同胞である猫たちに罰則を与えることはできないはずにゃ、
どうやって猫たちに外出を『禁止』し『罰則』を与えるのですかにゃん?」
そういわれるとセレブネコも答えが出なかった。
そもそも「外出自粛」も「罰則付きの禁止」も
彼の下僕や下僕が見ている箱の中で言われているセリフを
なんとなくまねしていってみたかっただけなのだから…。
「まあ、あれですな、
自粛のできるものは今まで以上に家にこもって下僕を悩殺し、
なおかつ運営本部でも猫に危害をくわえぬよう今まで以上に
広報活動に励むということで(;^ω^)…。」
議長猫がまとめた。すると、
「ぬるい!下僕持ちの連中の言うことは皆ぬるすぎる!
わしら下僕を持たぬフリーダムな者たちは、
今回の件で生きるか死ぬかの瀬戸際に立っている者が大勢いるのにゃぞ!」
会場の席は決まっておらずみな自由だったが、
自然と境遇の似たもの同士で固まって座っている状況となっていた。
室内だけで生きていけるセレブネコチーム
ノラ出身であったり山間部や離島など街中から離れているため、
外出の自由がある程度認められている昔ながらの庶民ネコチーム
そして大声で今までの話し合いに文句をつけたのは、
下僕を持たぬ完全フリーダムのノラチームのリーダー的存在のネコであった。
次回に続く👇
作者あとがき(*^▽^*)
はい!有名猫の正体がわかりましたでしょうか?
この方でした('ω')ノ!(公式HPより)
お魚くわえたどらねこ、おっかけて~♪、はだしでかけてく陽気なサザエさん(^^♪
有名な例の歌の設定、
タマがパトロールを怠った時の出来事に勝手にしちゃいました💦
サザエさんといえばアベノマスクの風刺画が物議を醸しだしましたね('ω')ノ。
こちらの画ですが、猫好きにかかると
タマが先頭!大事にされているのね、よかった(*^^*)。
なんて発想になってしまうという、そやけど顔全部隠れとんがな(;^ω^)…。
6月10日にうちにもマスク届いてました。
タマさん、その節はどうもお世話に<(_ _)>
って、フィクションなんやろ~ (マオ)!