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復讐に燃えた小夜菊【草燃える】~歴代大河ドラマの印象に残ったオリジナルキャラ4~

歴代大河オリジナルキャラ『草燃える』編ラストです。

 聞いている人が興味なさげでも飽きていても、話始めたら語りつくさねば気がすまない歴史おたくのサガ💦

 

申し訳ありません、もう少しお付き合いのほどを。

前回記事はこちら。

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政敵をどんどん葬り去る北条義時(松平健) 

物語は二代将軍(主人公政子の長男)頼家が暗殺されたところまでかきました。

跡を継いだのは弟の実朝(政子の次男)です。

 

松平、もとい北条義時は、実父との権力闘争にも勝ち(実父時政は追放)、鎌倉で並ぶもののない立場となりました。

さらに次なる標的として和田氏に狙いを定め、それを挑発しわざと謀反を起こさせ滅ぼしました。

後世で「和田合戦」と、言われる戦いに、一回目で紹介したオリジナルキャラ・伊東祐介(滝田栄)が巻き込まれ牢につながれます。

 

その彼を助けるため、驚くべき人物が義時の前に現れます。

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年老いてからの北条義時

 

義時を憎む第三の女・小夜菊(松坂慶子

都で評判の遊び女・小夜菊がつてを頼って義時の前に現れました。

「<(_ _)>お願いします、父を助けてください(小夜菊)。」

 

その女の面差しは亡き妻・茜にそっくりでした。

茜もかつて父を助けるためにこうして権力者の前に…。

 

いまや権力のトップにいる義時が、合戦に参加した一介の武士を釈放することなど造作もありません。

助けた彼女の父という男を見て驚きました。

かつての親友・伊東祐介ではありませんか!

 

伊東祐介(滝田栄)に関する記述はこちら。

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祐介は気まぐれで人買いから救った少女を小夜菊と名付け、親代わりとして育てていたのです。

 

茜に似た彼女を側室にと望む義時。

生活苦から遊び女として生きてきた者にとっては願ってもない玉の輿なので、小夜菊も異存はなく問題はなさそうです。

 

祐介も、もはや昔の恨みはない、と、言いました。

 

「わかった、小夜菊はくれてやる、だがその代わり、かつて茜どのとともに生きてきた頃の純真なお前に戻ってくれ。」

 

祐介と親友だった若いころは、伊豆の一豪族の次男坊でのんきな好青年であった義時も政敵をどんどん追い落とす「悪人」へとなりかわってゆきました。

父・時政追放の際にはこのようなことを言われました。

 「政子の陰に隠れ、目立たぬように、目立たぬようにと振る舞いながら、涼しい顔で人を陥れる。治承の旗揚げの時には嫌々戦に加わり、人をよう殺せなんだ男が、それがいつのまにやら、このような薄気味悪い奴に……悪党め。北条一族の中でも最たる悪党よ。そなたはな」

 

そしていまもまだ権力闘争は続いております。

 

そんな人物に昔の姿に戻ってくれなんて、ダースベイダーに闇落ちする前のお前に戻ってくれ、と、いってるようなものですよ。

 

義時は返答に困ります。

そんな彼を祐介は曇りなき眼で見すえます。

「おい、なんだ、その眼は!なにがいいたいんだ!

そんな目で俺を見るなあヽ(`Д´)ノ !」

 

義時は祐介の両眼をつぶすよう命じます。

失明させられた祐介を支え、小夜菊は側室の話をけり館を後にするのでした。

「この恨み絶対に忘れない。」

そうつぶやいて…。

 

小夜菊「承久の乱」のあおり役に

京に戻った小夜菊はその後、後鳥羽上皇の寵愛を受ける身となっていました。

 

茜の時は若き義時と将軍源頼朝

小夜菊の時は執権となった義時と後鳥羽上皇

ビッグネームにばかり愛されてどんだけ美女なんだ!

 

松坂慶子さんの若かりし頃ですからね。

 

私の中ではmそれより1997年の『毛利元就』での義母・杉の方のイメージが強いです。その方も美女設定ですが、母親なので年老いた晩年も演じ、何となくコミカルなところがありました。

 

草燃える』ではどっちも非業の最期を遂げてしまいます。

三代将軍実朝暗殺の後、後鳥羽上皇が打倒鎌倉を旗揚げ、それをたきつけたのが他ならぬ小夜菊という展開です。

しかし敗北、上皇隠岐島流し

完膚なきまでに叩きのめされ戦意消失してしまっていた上皇に、まだまだいける、あきらめるな!と、懲りずに小夜菊がたきつけますが、宮中にいた鎌倉の手のものに斬られ息絶えるのでした。

 

源頼朝の息子二人はなぜ非業の最期を遂げたのか?

さて『草燃える』の舞台となった鎌倉幕府ですが、主人公北条政子源頼朝の血筋は、長男・頼家、次男・実朝が両名とも暗殺されそこで絶えてしまいます。

 

鎌倉幕府自体は京からお飾りの将軍を迎え、北条家が実権を握り150年間続くことになります。

その北条が支えた政権は徳川家康がお手本にしたといわれるほどすぐれたものでした。

 

鎌倉幕府とは何ぞや?一口で言うと「武士の武士による武士のための政権」なのです。

 

武士の始まりとは開墾農民です。

自分で開墾した土地を自分たちが武装して守る、アメリカ西部開拓時代のカーボーイとも似てますね。

しかしせっかくの土地もそれまでは公家に承認してもらい、年貢で何割かをおさめなければならないのです。

公家にとっては濡れ手で粟だけど、武士たちにとって理不尽でしょうがないシステムでした。

 

それを覆したのが鎌倉政権です。

源頼朝が将軍になっているけど、彼はあくまで血統の良さを買われただけの旗印です。

頼朝は下半身にまつわる事についてはいろいろあったけど、政治家としては優れた感覚を持っていて自分の立ち位置というものがよくわかっていました。

だが、息子たちは生まれた時から将軍の息子でそこが分かってなかった…。

 

二代目頼家は土地にまつわるもめごとでいい加減な裁定をおこない、三代目実朝は京を重んじるような態度ばかりとっていたのです。

 

頼家暗殺についてはこちらの記事にて書いています👇 。

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実朝暗殺の実行犯は頼家の遺児・公暁ですが、事件の青写真を描いたのは?

ドラマの原作者、永井路子さんは三浦氏黒幕説をとっていますが、他には北条義時黒幕説もあるのです。

 

ほんまどんだけ、真っ黒やねん(^▽^;)💦

 

公暁は実朝と北条義時の両方を儀式の最中に殺そうとしていたのです。

(三浦のたくらみではそのはずだった。)

しかし義時は急に腹痛がすると言って代役を立て難を逃れたからです。

 

偶然にしてはできすぎで (-ω-;)ウーン?

義時は前もって三浦のたくらみを知って、自分だけ難を逃れ甥の実朝は見殺しにしたのか?

 

主人公の政子にはそんな疑念があったでしょう。

 

三浦の方も義時を殺しそこなったと知るや否や、実行犯の公暁を裏切り、将軍暗殺犯を打ち取ったと手柄顔したのです。

 

どろどろですね。

大河史上、一、二を争うほどのバッドエンド。

 

おんな太閤記』でも最終的に豊臣が滅びます。

でも死ぬのはあくまで側室の淀殿と息子の秀頼で主人公の北政所(ねね)はそれを見守る立ち位置でした。

北条政子の場合、四人の子も孫もみな悲惨な最期を遂げ自分だけが生き永らえてしまいました。

ラストでは琵琶法師となった祐介が鎌倉の宴に姿を見せ、平家物語の音曲を奏でます。

 

琵琶法師が昔の知り合い伊東祐介に似ていると、妹の保子が指摘し政子にいいます。

「お姉さまも彼と一緒になっていれば全く別の人生を送れていたでしょうね。」

 

以上が『草燃える』のストーリです。

最初は二回ほどで終わるつもりだったのにその倍かかってしまった💦

 

実は他にも『武田信玄』とかオリジナルキャラについて

語りたい大河は他のもあるのよね。

 

☆本日の癒し~とにかくι(´Д`υ)アツィー~☆

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なにはともあれ暑すぎでしょ💦