前回までのお話👇
ラテとペペ
「ラテ!」
猫博士が小さいほうの子猫に向かって言いました。
「何?」
ラテと呼ばれた子が答えます。
「そして、ペペ!」
一回り大きいほうの子猫を呼びました。
「はーい!」
大きいほうの子が答えます。
「お前さんたちは同じ母親からほぼ同時に生まれいっしょに育った。しかしここにやってきた時期は違うし、体の大きさも今は違う。どうしてラテがペペより小さいかわかるか?」
猫博士は二匹に言いました。
「小さい、言うな!」
質問の答えではなく抗議を小さいほうのラテがしました。
どうやら以前は一番体が大きくて兄貴分のようにふるまえていたのに、今は再開した弟のペペのほうが大きいことが、まだ事実として受け入れがたいのでしょう。
(ひっかかるの、そこか?)
と、話の腰を折られた猫博士が思いました。
そしてラテの小さな傷ついたプライドを刺激しない言い回しを考えました。
「うむ、では以前お前たちが、母や他のきょうだいたちと暮らしていた場所がどこで、そして今なぜここにおるのかわかるか?」
猫博士は問い直しました。
「ここほど広くないけど、あそこにも草原があったよ。」
ペペが言いました。
「あと、人間という生き物もいた、猫博士みたいに二本足で立っていた。」
ラテも答えました。
「うむ、うむ、お前たちはそこで生まれ大きくなった。生まれるというのがどういう意味か、分かるか?」
二匹は首をかしげました。
「うつしよ、というところがある、そこへうつしみという肉体をもって生まれ育ってゆく。そしてうつしみが壊れるとそれを脱ぎ捨てて、我ら種族は個々にやってくるのじゃ。」
二匹はさらに首をかしげました。
そしてペペは前脚をなめはじめ、ラテも大きなあくびをしました。
「こりゃ、聞いとるのか!」
猫博士がとがめました。
「猫博士、むりですよ。このチビ助たちにそんな難しい話をしても。」
いつのまにか子猫たちの後ろに近づき座っていた猫が言いました。
次回はこちら('ω')ノ。
☆作者あとがき☆
白子猫たちはほとんどなつかない子たちだったのですが、
一応名前は付けていたのです。
ラテーイタリア語で「ミルク」という意味
ぺぺ―イタリア語で「胡椒」という意味
瓜二つの二匹の区別のポイントは、
頭の上に黒コショウをまぶしたような点々が目立つか
そうでないかだけで、単独だとさっぱりわからない💦
物語では体の小さい兄貴的な方をラテ、
弟的な方をぺぺとしました。
前回と同じ写真、手持ちが少ないのですいません。
頭頂部がわからないのでもちろん区別はつきません。
☆おまけ~ウッドデッキで爪とぎ(^▽^;)~☆
前回と同じ写真だけじゃ手抜きっぽいので、
最新のマオの画像もどうぞ('ω')ノ。
ウッドデッキで爪とぎ( ̄▽ ̄;)…。