虹の橋のたもとの子どもたち8 ~たもとに来たいきさつ、ペペの場合~

前回のお話👇

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たもとに来たいきさつ、ペペの場合

季節は晩秋から真冬へと移っていきました。

 

ぺぺと妹猫は生まれ育った場所で変わらず暮らしていました。

しかし、母猫がそこに立ち寄ることはほとんどなくなっていました。

今は二匹とも真冬の寒さでも一匹で丸まって眠れるほどに成長しています。

 

母猫は寄り付かなくなっていましたが、ふさふさの毛並みの兄猫は毎日立ち寄ってくれていました。

「心配しなくても、お前たちがもう少し大きくなるまでここにいるよ。」

と、言って、人間がくれるエサをほおばっていました。

「もう少しってどれくらい?」

ペペは聞きました。

「そうだなあ、春になるころくらいまでは…。」

「春?」

「今より暖かくなって花とかがたくさん咲くようになるころだよ。」

「ふうん…。」

 

その「春」とやらがあとどれくらいしたら来るのか?

ぺぺには皆目見当がつきません。

ただ、ペペ自身も大人になった時の「準備」を自分なりに始めていました。

それはラテがいたころには彼が先導して、きょうだいみんなでやっていた「冒険」を自分だけでやることです。

 

ある夜をさかいに兄貴分のきょうだい猫が一匹姿を消しました。

ペペはどうしてか?それを自分なりに考え、

(あいつはいつも一番先に走っていいっていたから、巣立つのもみんなより早く行っちゃったんだろうな。僕もちゃんとその時が来るまでにいろいろ訓練しておかなきゃ。)

そう解釈をすることにしました。

体が大きくなった子猫は、傍に立っている家と目の前の草原だけでなく、その外まで行動範囲を広げていました。

ごつごつとした固い触感の草の生えていない「道」というもの。

日中は大きな鉄の塊が時々横切るのでペペはそこに入ったりしません。

でも、夜になると草原からとびでてその道を歩きます。

毎晩少しづつ先のほうまで歩き、行動範囲を広げていくのがペペの「挑戦」であり「訓練」なのです。

 

その夜も人通りも車通りも少なくなったアスファルトの道にペペは侵入しました。

そして、寝床から離れた先へ先へと歩いていきました。

その時です。

突然まぶしい光に目がくらみペペの体が硬直しました。

ライトが近づいてきてどんどん大きくなってゆきます。

 

ペペの体は逃げる間もなく大きな物体にはね飛ばされました。

 

次に目覚めた時は明るい草原の中にいました。

「ふむ、やっと目が覚めたかな?」

人間のように二歩足で歩く大きな「猫」が言いました。

「お前さんは”ペペ”じゃな。」

大きな猫は彼に「名」を告げました。

子猫はその時自分の「名」を初めて聞き、抵抗なく受け入れました。

大きな猫のそばには突然行方不明になっていたきょうだい猫が座っていました。

ただ前に見た時は、ほんの少しだけど自分より体が大きかったはずなのに、今ははるかに小さく幼くなっていました。

しかしそれが自分のきょうだい猫であることだけははっきりとわかったのです。

そして彼の「名」がラテであることも初めて知り、抵抗なく受け入れました。

 

彼らはいぜんのように二匹で一緒に過ごしました。

ただぺぺがラテの体の小ささを指摘すると、ラテはいつも激怒しけんかになりました。

けんかといってもラテが一方的に怒っているといった方が正しいかもしれません。

 

そうして二匹で光あふれる草原で過ごししばらくすると、

やさしかった兄猫もまたここにやってきたのです。

 

 ☆作者あとがき☆

とりあえず悲しいエピソードは一区切りです。

続きは虹の橋のたもとが再び舞台になりますニャ。

 

このお話を思い浮かび書いていたけど、

実はこのペペが死ぬ前のところで文章が止まったまま

塩漬けしていたのですね。

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 人間目線のいきさつはこちら👇

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 ☆おまけ~星を枕にした猫~☆

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正確に言うと「星柄のクッションを枕にした猫」ですが( ̄▽ ̄;)。