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少女の出す黒い霧
黒い霧を発生させる少女の話はラテの耳にも届いていました。
「あの子の近くにいる人間の話だから心配だな。」
ラテは友達の名無しの女の子のことを心配していました。
「危ないからもっと僕たちの近くに来ないかい。」
ラテは誘いました。
女の子の猫はラテの提案を受け入れることはありませんでした。
少女の存在は猫たちを不安がらせたけど、近くにいる猫たちが彼女を避けるために移動することはありませんでした。
ラテは名無しの女の子をひんぱんに、少女から離れた場所に遊びに誘いました。
「危ないから近寄っちゃダメだよ。あの黒い霧を浴びると病気になるっていうからね。」
ラテは女の子にいました。
「誰から聞いたんじゃ、そんな話を?」
猫博士が言いました。
「みんな言っているよ、あの人間ことは。」
「みんなって誰じゃ?何匹くらいのものが言っておるんじゃ?」
「えっと、みんなはみんなで、一匹、二匹…、たくさん!」
二までしか数えられんのか!と内心猫博士はため息をつきました。
「まあ、わしらは長いことここにおるから、ああいうことは今まで何度かあったが、ここにいる者たちにとっては、初めて出くわしたタイプじゃからの。」
少女のほかにも,うつしよにて本来彼らを「保護」する者からむごい扱いを受け、ここにやってきた人間の子どもは何人もいました。
「あの子は少し時間がかかりそうじゃの。」
猫博士はだれに話しかけるでもなく言いました。
それをタダヒトと犬賢者が聞いていました。
「どうして、ああいう子たちは皆、名無しの犬や猫の近くにいるのですか?」
タダヒトは聞きました。
「うつしよでも”類は友を呼ぶ”という言葉があるじゃろ。ここはその法則がより強く生きる場所だからじゃ。」
猫博士が答えました。
「時間がかかるって?」
タダヒトが首をかしげます。
「ここは人と動物が互いに”特別”な相手を見つける場所です。”うつしよ”、あなた方の言葉で言うと”生前”ですな、その時に”特別”な相手と出会わなかった者たちは、そういう相手と出会う前に生前魂が受けた傷もいやすのです。ここの空気にはそういう効果もあるのですが、あの子はそれに時間がかかっているという意味です。」
犬賢者が説明しました。
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☆作者あとがき☆
”みんな”という言葉は曲者ですね。
子どもがおねだりするときに
みんながもっている、の”みんな”も、
それは一体誰で全部で何人くらいか?なんて、
これはまあ、かわいいのですが(∩´∀`)∩…。
みんなが笑っている、みんなが嫌っている、
その”みんな”って?
人を委縮させけん制させるのに便利な言葉。
デマというのは出所が分からないのもよくあることで
ラテ君は友達の女の子が心配のあまり真に受けちゃって、
まだおこちゃまなので仕方がないですね。
☆おまけ~南国ムードのマオ~☆
本編は少々湿っぽく暗いのでこちらは南国の明るいムードで('ω')ノ。
シュタッ!何つかんだの?
ではまた(^^♪。