昭和ネコ令和を歩く

~Show a Cat walk in 00~

勝手にスピンオフ ~マオ空白の四日間(中編)~

 前回の続きです。

mishablnc.hateblo.jp 

 

  

衝撃的なエンカウント(続き)

窓の外の風景にいささか驚いたマオだったが、エージェント〇を探し廊下をさまよった。

 

歩き進めると小さく開いている扉があり、マオはその中に身を滑らせた。

部屋内でまず目に入ったのはエージェント〇の毛皮の色である。

マオは駆け寄った。

しかしエージェント〇は動かなかった。

「〇さん、どうしたのですか?」

マオはエージェント〇を揺さぶった。しかし反応はなく、

「ペッチャンコじゃないですか、まるで車にひかれたみたい⁈」

 

マオはNNNのエージェントを通じて下僕とコーディネイトされた猫である。

派遣される前に簡単な研修を受ける。

その内容には、注意するものとして車が紹介され、車にひかれた目をそむけたくなるような遺体の画像も見せられる。

 

その画像と同じくせんべいのように平たくなったエージェント〇。

「うわあああ~ん!〇さぁ~ん!」

マオはエージェント〇にすがりつき泣き喚いた。

「おい、なんだ、だれが騒いでいる?」

声が聞こえ扉が開く音がした。

 

見えないけれどいるんだよ

マオの鳴き声を聞いて、誰かがやってきた。

なんだ、なんだ、と、声の種類は複数あった。

マオは向き直ったが誰もいない。

 

「子供じゃないか、なんでここに?」

 

マオはきょろきょろと周りを見回したが何も見えない。

しかし声は聞こえる。

それも複数。

「ちきう玉の猫の子じゃないか。」

「はあぁ、やつめ、ドジりやがった、あとをつけられたんだ。」

「粗忽者め。」

マオは恐る恐る前に進んで、何も見えない虚空にねこパンチを何回も繰り出してみた。

すると何回かヒットした!

「おっ、いたっ!」

「とりあえず、こいつどうする?」

「やつといっしょに処分だな。」

声の主たちは何やらぶっそうなことを話し合っている。

そこに異を唱える者が現れた。

「待て待て、とりあえず話を聞いてからだ、さっきから新作の毛皮スーツにしがみついているが、このエージェントの知り合いかもしれないぞ。」

  

きみょうきてれつ宇宙猫

「エージェントの知り合い、つまり下僕持ち、なら、ひそかに処分して行方知れずになったら厄介なことになる、計画の前にNNNに不審がられることは避けたい。」

 「それにエージェント〇と間違えてここまで来たというのなら、この毛皮スーツがそれだけ良い出来栄えである証拠だ。」

 

マオとマオが後をつけていた「やつ」、そして毛皮スーツを擁護する声が穏やかに響いた。

 

「おい、それよりこの暴れん坊を何とかしろ!」

「見えてないらしいけど本体さぐってじゃれてきてんだけど…。」

見えない何者かのからだをマオは探り当てプロレスごっこへと移行していた。

透明な主たちはマオをひきはがし、

「ちょっと待っていろチビ助、お前にも見えるようにしてくるから。」

気配がどやどやと扉の外へと消えていった。

 

そしてしばらくすると、地球では見たことのない生物たちが姿を現した。

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「すまないね、私たちの普段の姿は三次元のちきう玉の猫たちには見えないから、過去に侵略し損ねた星の生物の着ぐるみを着てきたんだよ。」

「アハハ、侵略に失敗して廃棄するしかなかったスーツがこんなことに役に立つとはね(^o^)。」

 

侵略?いま、侵略って言った?

  

「君がしがみついたのはエージェント〇の本体ではない。侵略の前段階としてエージェントに成り代わるため、開発した毛皮スーツだ、よく見てごらん中身がないだろう。」

「親切だな、わざわざおしえてやるのか。」

「いや、知り合いが死んだと思い込んでいたらかわいそうだし…。」

 

〇さんじゃなくてよかった、と、思いはしたが、マオは目の前にいる宇宙猫たちが、いいやつなのかわるいやつなのか測りかねていた。

”侵略”なんてぶっそうな言葉を使う割には優しいところもあるし…?

 

ヒーローものの定番は侵略者と戦うちきう玉防衛軍。

つまり、彼らはわるものなのか?

 

☆おまけ~最近のマオ~☆

前回に続き後ろ姿です。

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宇宙猫?どこかで聞いたことありますね?

結末は次回!