『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が
本日フジテレビにて地上波初放送です\(^o^)/!
それにかこつけて今回は
「鬼」という語における四方山話をいたしましょう。
大陸における「鬼」の意味
まず「鬼」という字のそもそもの意味。
元祖中国大陸においては死んだ人の魂、
あるいは幽霊を意味します。
また形容詞的に悪い人や考えのことを
表すのに「鬼」という語を使うこともあります。
”心中有鬼”というと
心の中にやましいことがある。
”酒鬼”はのんべえ、
”色鬼”はすけべ、
”肝小鬼”は臆病者。
など、死んだ人の霊でも心の有様でも
よからぬ状態を形容するのに使われています。
日本で使われる「鬼」という語。
そしてこの漢字が日本にわたると、
死んだ人の魂を表すのは別の言葉がつかわれ、
「鬼」というのは異形の化け物、
すなわち妖怪変化の類を表すようになります。
人を脅かす退治されるべき化け物といった
認識であったのが、時代が下るにつれて、
どこか人間臭く愛嬌のある存在へと
日本人の意識が変わっていきます。
人と仲良くなりたかった赤鬼と
その赤鬼さんの手助けをした友達思いの青鬼の
「泣いた赤鬼」という物語が
私たちが子供の頃にはもう存在していましたからね。
豆をまかれて逃げる鬼(いらすとやより)
「鬼」と呼ばれた存在は一説では
日本に漂着した西洋人だったとか。
なるほど日本人より大きな体格と
赤みがかった肌、カールした頭髪など
白人の特徴と合致するところがあります。
それに鬼門の方角を表す丑寅
牛の角とトラのパンツをつけさせて
現在の鬼のイメージが出来上がっています。
トラのパンツって言うと
私たちの世代は「ピンポンパン体操」を
思い出すのですけどね。
日本語の中の「鬼」の意味
そのせいなのか?
日本語の中で何かの状態を表す時に
「鬼」という語が使われるときは
中国語ほど悪い意味にはならないです。
”何とかの鬼”という表現がありますが
それは何かに一心不乱に打ち込む人を
表す言葉で誉め言葉ととらえても
さしつかえのないものです。
あと、関西限定ですが
「鬼のように忙しい」という言い方があります。
これは”すごい”とか”とても”とかと同義で
鬼の強さとか大きさをニュートラルに使っています。
もちろん鬼の非道さを表す表現も
存在してはいますけど💦。
吸血鬼
西洋では漢字を使っていないので、
日中のような形の比較はできませんが、
「鬼」という語を使って訳される
モンスターとしては吸血鬼がいます。
吸血鬼伝説と言えば
ルーマニアのドラキュラ伯爵が有名ですが
それ以前から死んだ人間がよみがえり、
人の生き血をすする伝承は存在していました。
吸血鬼に襲われた人間も吸血鬼となり
基本的に不死なので
など、時代や地域によって差異はあるものの
何らかの特別な手段でないと
その命を絶つことはできないとされています。
『鬼滅の刃』に出てくる「鬼」って
実はこれに一番近いのですよね。
ちなみに以前の鬼滅関連の記事に書いてますが
「鬼滅の刃」の英語訳は
デーモンブレードになっていました。
鬼=デーモン(悪魔)という解釈か。
鬼は人間だったのだから
『鬼滅の刃』の中に
「鬼は人間だったんだから」という
主人公竈門次郎のセリフがあります。
「鬼」という語の使われ方を見ても
たしかに元は生きている人間、
あるいは人間の行いを表現しています。
醜い化け物なんかじゃない 鬼は虚しい生き物だ 悲しい生き物だ
現実においては、鬼が醜いのではなく
人の中の醜い状態を表すのに
「鬼」という言葉が使われているだけ。
人は簡単に自分の心を「鬼」の状態にして、
他人に非情な行いをすることもあれば
逆に他人を「醜い鬼」同然の存在とみなして
踏みつけにしてもかまわない、
それに良心の呵責を感じなくてもよい
と、いう心の状態になることもある、
別のマンガじゃそれが「巨人」だったりしたかな。
最後に鬼のように体が柔らかく
骨格がどうなってるのかわからないマオをどうぞ👇。
その「鬼」の語の使い方は間違っていると思う。
(マオ)
ではまた(^^♪。