前回の話はこちらです👇
寒いところに閉じ込められた後遺症?
欠陥品?
彼女の話していることがますますわからなくなってラテは首をかしげました。
「”どんなにいい血統でも出来損ないは生まれるものだ”って、私を見て人間は言ったわ。それからすぐ私はお母さまとひきはなされ寒いところにつれていかれたの。」
「寒いところ?」
「ええ、何かつるつるする床があるとっても寒いところ。長い時間ブルブル震えていたけど誰も来なくて、意識がなくなって、気が付いたらここにいたの。」
「僕も寒くて疲れて休んでいて、気が付いたらここにいたんだ。閉じ込められたとかいうのとは違うけど、でも、ぼくたちここに来た理由がちょっと似てたりするんだね。」
ラテが言うと女の子の猫はうなずいて、またラテに寄り添って眠り始めました。
「この子変わってるよな。こんな暖かいところでひっついて寝たがるなんて。」
ペペがやってきてその様子を見て言いました。
「うるさいな!そんなのそれぞれだろ!お前は勝手にへそ出して寝てろ!」
ラテが言い返しました。
「そうするも~ん。」
ラテのむっとした口調などお構いなしに、ペペはお腹を出して寝そべり手足をバタバタさせふざけていました。
ラテは自分に寄り添って眠る子の顔をしばらく眺め、自分もまた目を閉じました。
次回の話はこちら👇
☆作者あとがき☆
『どんなにいい血統でも出来損ないはうまれる』
という言葉はハリーポッター『アズカバンの囚人』の冒頭で
語られた話のアレンジです。
ハリーポッターシリーズの冒頭ではいつも、
ハリーはいやいや叔父の家に滞在し、
そこでうっかり魔法を使ってしまったが故のトラブルが発生します。
上記のシリーズではハリーの叔父の姉妹に当たる人が登場。
ブルドックのブリーダーをやっている方です。
ハリーを虐げていたダーズリー家との関係は良好だったけど、
ダーズリーの妻の妹が残したハリーのことは疎んじており、
自分がブリーディングしているブルドックでも
たまに「出来損ない」が生まれ、
ハリーの両親もまたそのようなものだ、ということを言うのですね。
おばさんはその出来損ないをどうやって「処分」するか、
と、いうことまでとうとうと語るシーンがあったりして、
例のごとくハリーがキレて魔法を使っちゃうのですけどね。
名無しの女の子ちゃんの死因は、
遠くまで遊びに出かけて道に迷い
夜の寒さに耐えられなかったラテと違い
明らかに人為的なものです。
設定のヒントはペットショップで売れ残った犬や猫の
末路にかかわる記事の内容からです。
これ以上はやめておきましょう。
「売れ残り ペット」「売れ残り 犬」などなど
関係ワードでいくつか記事を検索できますが、
残酷話に対する耐性や怒りの振りきれるメーターは
人によって違うので自己責任でお願いいたします;つД`)。
☆おまけ~へそ天は安心と暖かさの証2~☆
黒猫チビの中途半端なへそ天。
チビにしては珍しい画像なんですけど…。
背景に洗濯物がとっ散らかってるので、
めいいっぱいトリミングしたけど隠しきれなかった( ̄▽ ̄;)。
こちらはマオのあられもないへそ天。