前回の話はこちら👇
うつしよのあい
秋が深まってからのチビは、
伸びすぎて電線に枝がかかるので切り倒された
木の切り株にずっと座っていました。
ご飯も食べられなくなり弱りに弱ってきたにもかかわらず、
まだ虹の端に行こうと決意しないチビの心の中の
なにがうつしよに引き留めていたのでしょう。
誰にもそれはわかりません。
そして小雨が降る日にチビは切り株の上に座るのをやめ
人間の誘いにのって家の中へ入ってきました。
そしてよろよろと二階にのぼり床に体を横たえました。
この世をお暇する最後の時に体中の水分を放出するチビを
人間はひんぱんに二階にのぼって拭いてやりました。
相棒猫マオはその様子を近くで伺っていましたが
チビのそばに近づこうとはしませんでした。
しかし夜も更けチビがいよいよ何の反応も示さなくなったころ
マオは人間と一緒に二階に昇りチビの様子を見ると
その心の高ぶりを抑えるかのようにがりがりと壁で爪を研ぎだしました。
人間がまた階下へ降りマオとチビだけになると、
チビは静かに旅立ちました。
「仲良くしてくれてありがとう、もういくね。」
☆作者あとがき☆
長々と、需要あるんかい、というような
作者の自己満足だけかもしれない物語にお付き合いくださり
ありがとうございます<(_ _)>。
細かい点を実際と変えています。
チビの死ぬ間際マオが爪を研いだのはビニール製のソファーです。
(とても爪を研げるとは思えないやつ…。)
次が最終章です。
☆おまけ~二匹の猫にハートマークを付けると~☆
明日はバレンタイン、それにちなんでの画像加工です。
二匹の猫が寄り添ってるところにハートの加工をすると
こうなります(⋈◍>◡<◍)。✧♡。
これはチビの母猫の白猫母さんと実の父猫ではないけど仲良しのオス猫。
物語には出ていないけどチビやラテのきょうだい猫。
そしてチビとマオ、家で寄り添っている姿にハート加工。
今週のお題「チョコレート」