今回も前回の原作と映像の違いの記事に関連しています。
前回記事はこちら。
二十年ほど前の話ですが『ブラックジャック』のアニメ化でも言いたいことがたくさんありました。
まず、ブラックジャックがかっこよすぎる!
原作者の手塚治虫さんによると、主人公のイメージはフランケンシュタインだとか。
原作者としてはダーティヒーローのつもりだったのに、読者が「正義の味方」のように勘違いをしたとか。
いずれにせよ、汚く醜い、でもすごいことをやってのける、そこがすごい!
と、言うのが作品のキモだったのに、アニメノアのイケメンっぷりはなんだ!
オープニングテーマの『月光花』の中で微笑むブラックジャックの斜めからのアップのシーンなぞ、見惚れましたよ。
でもかっこよすぎると原作者のコンセプトから外れてくるんじゃないの?
いや、主人公がイケメンすぎて文句言うなんて、後にも先にも『ブラックジャック』だけだわ。
ブラックジャックが2000年代初頭にアニメ化された時、原作ファンからはかなり文句も言われたのですね。
アニメはアニメとして楽しむこともできるくらいの出来なのでみていましたが、一つだけ、これは変えてほしくなかったというのがあります。
『病院ジャック』という話ですが、原作ではとある病院で少年の手術を請け負っている最中にテロリストが病院を占拠して、医師たちを人質に取ります。
医者たちは何やら相談をしたりしてますが、ブラックジャックだけは患者の前を動かない、そして怒ったテロリストたちが爆弾を爆発させて病院全体が停電します。
するとブラックジャックは暗闇の中手術を開始。
こういうこともあるだろうと、実はブラックジャックは患者の臓器の位置を記憶だけで手術できるよう目に焼き付けていたのです。
ここまでは漫画もアニメも一緒。
ただ最後に、このテロリストを特殊部隊が華々しく突入して制圧、なんて見せ場がアニメにはあって「正義は勝つ」みたいな〆方になっているのが自分的には不満でした。
原作でも、確かにテロリストは逮捕されるのですが、そのあとのブラックジャックのセリフが秀逸。
「たいしたやつだな……、
簡単に五人も死なせるなんて。
こっちは、
ひとり助けるだけでせいいっぱいなんだ」
と、連行されていくテロリストたちに語りかけ、病院を去ってゆくのです。
殺すのは一瞬だけど、助けるとなると確かに大変ですね。
その辺の無常観というか、いや、無力感か?
なんと表現すればいいのか?
もちろんアニメでもそれは言ったと思うけど、ちょっと伝わりにくかったかな。
アニメ的には、特殊部隊がテロリストとドンパチやる見せ場がある方が正解かもしれないです。
この後の時間帯に放送されるコナン君でもよくそういうエピソードありますしね。
漫画ではそういうところは省いて、ブラックジャックの手術シーン、そのあといつの間にか逮捕されたテロリストって流れだったのですね。
こればっかりは、表現媒体の違いもあるから、う~ん、むずかしい<゜)))彡。
最後にブラックジャックなマオ。
ウ~ン、厳しいお顔💦。
日向ぼっこで緩んだマオもどうぞ。
それではまた(^^♪。