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思い出話に花が咲く
犬や猫にとって大事な存在が二人以上いた時にはどうなるのだろうか?
例えば人間の家族の一員として犬や猫が飼われている場合、
命が尽きてこの虹の橋でたもとで過ごすとして 、
その子は一体誰と一緒に虹の橋を渡るのだろうか?
家族の中でも一番最初に亡くなった者?
それとも、その子が一番好きだった者?
「ケースバイケースじゃな、こうだと断言はできん。」
猫博士は言いました。
「わしらでもこうすれば間違いなくお前さんの望みが叶う、とか、言いきれんから、とどのつまり、お前さんがしたいようにすればええ。」
「むかし天国に行った後、何回も虹の橋を渡って犬を迎えに来た御仁もいましたね。」
犬賢者がいいました。
「ああ、あの巨漢じゃな。こっちに渡ってくるたびに虹の橋が落ちるんじゃないかと、見ていてはらはらしたよ。」
猫博士が言いました。
「巨漢が通ったくらいで虹の橋はくずれんよ。」
「そう感じるくらい存在感のある巨漢だったということじゃ。」
傍にいる人間を無視して二匹は思い出話を始めました。
犬賢者も猫博士も、自分たちができる助言はすべてしたので、あとは彼自身が選べばいい、と、雑談をしながら彼の返答を待ちました。
「ご迷惑でなければここにいていいですか?」
しばらく考えた後、人間が言いました。
「おお、そうか!よし、それで決まりじゃな。まあ、この世界は腹も減らんし、体も汚れん。犬や猫はもちろん、人間でもうつしよでの雑事はほとんど必要ないから気楽に過ごせばええよ。時間のある時はわしらも相手してやるからの。」
猫博士が言いました。
それを聞き、ここでは人間のほうがペット扱いだな、と、人間は思いました。
犬賢者も静かにうなずきました。
そして、彼の後ろで座って待っている犬たちのほうに向きなおりました。
「犬賢者さま、お話終わったの?」
「ねえ、ここにいることになったんなら一緒に遊んでいい。」
犬たちは口々にいいました。
この世界では二足歩行の大きな二匹だけでなく、他の犬や猫たちの意思も言葉でちゃんと伝わるようです。
「気が向いた時でいいから、一緒に遊んでやってくれるかの?」
犬賢者は人間に言いました。
人間がうなずくと犬たちが一斉に彼に近づいてはしゃぎまわりました。
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☆作者あとがき☆
人間さんは虹の端に長期滞在することになりました。
それはさておき二匹の思い出話に出てきた人物は?
こちらの方です。
彼の犬好きエピソードは記事で紹介したことがあります👇
もともとこの話を考え付いたのは
黒猫チビが虹の橋のたもとに行った2018年の秋。
そしてその年に放送されていたドラマがこれでしたから。
忠犬ハチ公と同じく虹の端でのエピソードは
ブログ主の勝手な想像ですけどね( ̄▽ ̄;)。
☆おまけ~在りし日のラブラブ(⋈◍>◡<◍)。✧♡~☆
ウッドデッキのテーブルの上のマオとチビ。
それにしてもチビさん、目を開けてないとただの黒い毛の塊だね(^▽^;)…。