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あんたは声かけるのか?
タダヒトが猫博士に怒られ、犬賢者からは辛口意見を言われたりして、しばらく後のことです。
しばらくとはどれくらいかというと、あくまで本人の感覚で”しばらく”です。
なにしろここはずっとお日様が照っていて「夜」というものが存在しないので、日にちの感覚がありません。
時計もないし、過ごしている時間が"うつしよ”の基準でとてつもなく長いのか、それとも短いのかは、この場所のイレギュラーたるタダヒトにはさっぱりわからないのです。
なんにせよ、少し気まずいやり取りをして少し経った後くらいから、猫博士はしきりに少女に話しかけるようになっていました。
その様子を犬賢者と並んでタダヒトは見ていました。
少し複雑な気持ちにタダヒトはなりました。
すると突然少女とのやり取りを中断させ、猫博士が彼らのもとに近づいてきました。
「おーい、タダヒト!」
「なんでしょう?」
「今、お前さん、”あんなに偉そうに言っておいてこいつは彼女に話しかけるのか?”、と、思ったじゃろう。」
猫博士が指摘しました。
そうでした!
この空間は、思ったけど口に出さず黙っていよう、ということが通用しない世界です。
タダヒトがうろたえましたが、猫博士は続けました。
「わしがやっているのはクソバイスではなく、あの子のこれからに役に立つことの指南しているだけじゃ。」
猫博士はそれだけ言うと再び少女の方に戻っていきました。
よくよく猫博士の会話に耳を傾けてみると、
「そうそう!猫の舌はざらざらじゃが、これがブラシの役目をして全身の毛を整える、じゃがどうしても自分の舌で届かんところがあるから、そこを撫でてもらうと超気持ちいいんじゃよ。ちょっとここ撫でてもらえるかな。」
少女は猫の頭のてっぺんを撫でてみました。
そのあとはあごから喉にかけても、猫博士は、
「ふにゅーん。そうじゃ、そこそこ、気持ちええのお。」
「その、これから先のことを考えると、猫の扱い方を覚えるのはきっと役に立つでしょうから…。」
様子を見てわけのわからない顔をしているタダヒトに犬賢者が説明しておりました。
「先だってのことなら気にする必要ないですよ。猫の目天気というでしょう。猫博士はもう気持ちを切り替えていますから。」
と、犬博士が続けると、
「誰が猫の目天気じゃ!」
壁に猫の耳あり、障子に猫の目ありです。
いやここは広々とした草原で、“障子”も”壁”もありませんが…。
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☆作者あとがき☆
画像はあくまでも上機嫌になった時の猫のイメージです(;^ω^)…。
猫博士がいつも酔いどれているとか、
そういうことではありません💦
猫が気持ち良いポイントって、
単純に毛づくろいをするための舌の届かないところ
と、理解しておりましたが、
世の中にはさらにそれを発展して
ツボを紹介しているところもあるようで('ω')ノ、
使っている言葉がもはや人間と一緒ですな、
今度大人しくしていたらやってみようかな。
☆おまけ~どうぶつにハテナをつけたら~☆
ツイッターで今、
#どうぶつにハテナをつけたら可愛い選手権
なるものがはやっています。
やってみましょう、久々のモップ兄です。
マオのこの前の正月画像にもハテナをプラス('ω')ノ。
自分に何が起こったのかわからないマオと鏡餅…。