NHK大河ドラマ『どうする家康』が始まりました。
主演の家康は松本潤さん。
戦国時代の最終的な勝者で二百年の平安を築いた武将。
この方自身を主人公にする大河ドラマは1983年滝田栄さんが主演を務めた『徳川家康』以来です。
(2000年にも家康が主人公の大河がありましたが、その時は秀忠、家光と三代にわたる人物が主役です。)
古い歴史モノの女性の人格ディすり行為のひどさ
山岡荘八原作の滝田栄主演の大河では子供時代から描かれていましたが、今回はいきなり桶狭間でしたね。でもたった一話だけだったけれども、家康(当時は松平元康)の今川家時代が良く描かれていたな、と、感じました。
滝田栄主演の大河の原作は家に小説が置いてあったので読んだことがあるのですが、長すぎて途中で挫折。たしか築山殿らが殺されるあたりまで読んだのよね(ネタバレゴメン(>_<))。
その小説では今川時代は屈辱の連続で、築山殿に関しても高慢ちきで九歳年上のババアを今川義元に押し付けられたみたいな描かれ方でした。
ひどいよね。
それに比べると、今回の大河では家康の初恋の人自体が瀬名姫(有村架純)で、悪い事ばかりじゃないさ~♪的な今川時代が描かれていました。
何と言いましょうか、昔の人の歴史小説って、武田信玄の妻の三条夫人にしてもそうだけど、弁護してくれる子孫が死に絶えて非業の最期を遂げたりした女性の人格を貶め方がすさまじいケースが多いです。
はっきり言って私はそれが大嫌いでしたね。
歴史小説読むのは好きだったけど、そこのところはかなりモヤりながら読んでいました。
山岡荘八にしても新田次郎にしても、他にも二流三流の歴史作家も加えたらきりがないだろうけど、すでに死んでいても生きていても、全員土下座して貶めた女性に謝れ!
どうせてめえら、自分がひどいこと書いているって自覚もなかったんだろうが!
こちらその三条の方について書いた記事です。
大河ドラマ―今後の瀬名姫
それに比べたら、今回の大河ドラマの瀬名姫の描き方ってそんなにひどくないので、少なくとも気分の悪い思いをしないで見ることができます。
もっとも、彼女が非業の最期を遂げてしまうことに変わりはないのですけどね。
そもそも山岡氏の小説をはじめ、今川時代に家康は好きでもない年上のババアを押し付けられたみたいな描かれ方してますが、瀬名姫は伝聞によると色白でかなりの美人だったそうです。
人質と言っても家康個人の資質も相まってかなり優遇されていたようで、雪斎という高僧を家庭教師としてつけてもらい、しかも妻としてあてがわれたのは今川義元の姪。
当時の家康の立場を考えれば逆玉といってもいい縁組だったのですね。
それが百八十度変わってしまうのはあの桶狭間合戦のせいです。
たしかにそれをきっかけに家康は今川氏から独立します。
しかし今川に取り残された瀬名姫の方はというとかなり厳しい状況。
彼女の両親は裏切った家康と通じていると疑われ自害。
とり残されていた家康の家臣団十数名も串刺しにて処刑されます。
彼女と子供の命が取られなかったのは、今川氏の身内だったことと、人質としての価値を考えてのことと言われています。
その後、人質交換で家康のもとに戻されても、夫である家康は今川の敵である織田信長と同盟を組む…、瀬名にとっては精神的にきつい状況が続くのです。
そこのところドラマまではどう描かれるのでしょうね。
徳川フィルター
築山殿や嫡男の信康の死に関しては謎も多く、織田信長に命じられたというのが定説ですが、それすらも否定する人がいるくらいです。
その事実はさておき、築山殿に関しては、その後二代将軍の母となったお愛の方やその血筋を持ち上げるためか、どうしても貶められている感が否めません。
江戸時代の将軍の血筋を持ち上げるためのフィルターですね。
そのフィルターの犠牲者としては関ヶ原の戦いの敗者の石田三成や、織田信長の姪で豊臣秀頼の母淀殿が有名です。
築山殿もその中に入れていいのかな。
最近になってそのフィルターを外して人物そのものを見てみようという動きも出てきています。特に石田三成が治めていた滋賀県で、その徳川フィルターを外して三成を見て見ようというアピールが顕著になっています。
この歴史フィルター、他には楠木正成をほめたたえ足利尊氏をぼろくそけなした、戦前の皇国フィルターというのもありました。
このフィルターを通すと昨年大河の主人公の北条義時なんて大悪人だったでしょうね。
江戸幕府は二百年も続いたせいで、徳川フィルターがかなり強固だったのですが、最近になって緩まりつつあります。
ただどうせなら、私が子供の時から外れていてほしかったです
☆おまけ~今年はうさぎ年~☆
家康は寅の年・寅の月・寅の日、寅尽くしで生まれたってホント?
でも今年はうさぎ年だぴょん(マオ)!
それではまた(^^♪。