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頑張れ一途な家庭人平蔵【風林火山】~歴代大河ドラマの印象に残ったオリジナルキャラ6~

前回は1988年放送の『武田信玄』を扱いましたが👇 

mishablnc.hateblo.jp

今回も同じく武田家を題材とした2007年放送の『風林火山』からです。

主人公は信玄ではなくその家臣の一人山本勘助内野聖陽)です。

風林火山』プチ情報あれこれ

武田信玄には武田二十四将という優れた家臣団がいました。

 

なぜ武田信玄の家臣団が有名か?

それは徳川家康が政治家として尊敬するのが源頼朝

そして武将は武田信玄と言っていたことから、武田二十四将が江戸時代浮世絵などの題材にもよく使われ、現代にいたるまで語り継がれているからです。

 

山本勘助はその中の一人です。

ドラマでも描かれていた通り、勘助は幼いころの病気で片目を失明。

片足も引きずっており、肉体的イニシアティブを武器に武勇を誇るタイプではなく、主に頭脳を用いて信玄に貢献したいわゆる智将です。

 

風林火山」とは武田の旗印に使われた言葉ですが、もともとは中国の兵法家孫氏の句にあったことばです。

疾きこと風の如く 

徐かなること林の如く 

侵略すること火の如く 

動かざること山の如し

 

そしてこの言葉には続きがあり、

知り難きこと陰の如く

動くこと雷帝の如く

 これは『名探偵コナン』の「迷宮の鎧武者」という話で知ったのですけどね(;^ω^)…。

 

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 NHKのHPより

 

”勘助”というネットスラング

まずはおさらいです。

武田信玄は正妻三条の方との間に五人の子がいます。

そして十数年後、妹の嫁ぎ先であった諏訪を滅ぼし、美人の誉れ高いその姫を側室に望みますが家臣団は大反対!

武田に恨みを持つ女などいつ寝首をかかれるか\(゜ロ\)(/ロ゜)/!

その中で一人賛成したのが主人公山本勘助でした。

諏訪の姫に信玄の子を産んでもらってその子に諏訪家を継がせればもはや敵国ではなくなる、と、いう進言をしたのです。

 

物語ではその勘助が諏訪の姫(このドラマでは由布姫)に恋心に近い感情を持っている設定。

 

たとえば姫の産んだ子が自分の子であるかのような勘助の妄想。

このシーンを最初勘助の夢の中だけで起こっているとはわからしませんでした。

えっ(=゚ω゚)⁉

と、真に受けて視聴者としては実は混乱してしまったわけですよ\(◎o◎)/!

( いや、混乱していたのは私だけなのか('◇')ゞ…?)

 

姫も勘助だけが唯一、彼女と子の支えになっていたからそういう意味では気を許していたけど、男女の情とかではなかったから完全に勘助の片思いなのですよね。

プラトニックラブともいうけど…。)

 

2チャンネルのネットスラングではこういう勘助の描かれ方のせいで、女のほうが何とも思ってないのに自分に気があると勘違いしてみょうちくりんな行動をする男のことを「勘助」と言うそうです。

 

このドラマの原作となった井上靖さんの小説ずいぶんな扱われ方💦

 

彼の小説は過去にも何回かテレビドラマ化されております。

1992年里見浩太朗主演のドラマでは、初対面で姫に「醜い顔」とこき下ろされたりして散々でした。

NHKさんがそこら辺を緩めてちょっと不思議な演出をしたから、視聴していた人のからかいの的になっちゃったりもしたのでしょうね。

 

勘助と真逆の選択をし続けたオリジナルキャラ

さてタイトルの本題ですが、信玄に仕えた勘助はもともと武田に深い恨みを持っていました。

浪人時代に恋仲になり彼の子を宿した女性ミツを武田信玄の父信虎に理不尽に殺されたからです。

しかし息子晴信(のちの信玄)が謀反を起こして信虎を追い出すと紆余曲折ありましたが士官しそののち、軍師になりました。

 

そしてこの殺されたミツについては、彼女を想っていた平蔵(佐藤隆太)という別の男性もいたのです。

自分も彼女が好きだったけど、勘助の子を宿してからは諦めながらも、勘助の留守中には彼女を守ってしっかりフォロー。

 

そして彼女が殺されて後は勘助とともに武田家を敵とし、諏訪氏、村上氏など武田と敵対するところに身を寄せ、最期は上杉に仕えることとなるのです。

 

そしてその流転の最中、諏訪に仕えていた矢崎家のヒサという娘に出会います。

自分のことを想ってくれていたわけでもないミツを一途に思い続けていた平蔵に、彼女は興味を持ちます。

 

身分違いであったためヒサは一度別のところに嫁ぐものの、婚家が諏訪を裏切ると知って脱走し矢崎家に帰ってきました。

その後は矢崎氏父、娘ヒサ、そして平蔵の三人で、武田に復讐するために行動を共にしします。

そして矢崎氏父が戦で亡くなる際、娘を頼む、と言われ、彼女と結婚するのです。

(よかったね >^_^< )。

 

二人の間に子供ができてからはすっかりマイホームパパの雰囲気。

 

後世で「川中島」と言われる合戦前夜。

ミツは武田に復讐をし手柄を立てることよりも、親子での平穏な暮らしを望むようになっており平蔵にもそのことを伝えます。

 

川中島の合戦山本勘助と平蔵は再開し、敵にやられ瀕死の勘助は「自分の首をとれ」と、平蔵に言うが彼自身もその際に敵の矢を受け重傷!

 

戦が終了(勘助は死亡)。

傷を負った平蔵は生きて帰るべく歩き続けました。

しかし力尽きて倒れ、そのそばを戦死者の遺物をあさりながら、けが人を治療したりもするおばばが通りがかり、さてさてどうなるかわからないまま、ドラマ終了。

 

おーい、平蔵を家族のもとに返してやれよ

 \(◎o◎)/!

 

って、この終わり方には言ってやりたかったですわ。

 

そんな予定調和的な終了では戦いの残酷さは伝わらない。

でもずっと苦労してやっと幸せをつかんでいた平蔵&ヒサ夫婦に対し、平蔵死んだというのではむごい、と、いうことで視聴者の好きなように想像してよ。

 

そういう演出側の意図があったのでしょうかね。

 

☆本日の癒し~家族で食事です~☆

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