前回までのお話👇
にんげん界に蔓延した病のせいで猫たちの境遇も一変した。
その対策を話し合うために時間や次元を超越した空間にて
古今東西の猫が集う「にゃんにゃん緊急集会」なるものが開かれた。
ノラチームのリーダー猫が自分たちの苦境を訴えると
突然立ち上がり発言を求めた存在がいた。
それは猫ではなく犬、それもにんげん界では超有名な忠犬ハチ公であった。
突然現れた、いや、ずっと会場にいたのだが、
発言を求め立ち上がるまで誰も気に留めなかった犬の存在に、
その場にいた猫たちは騒然とした。
にゃんにゃん緊急集会を運営している猫達でも
聞かされていたのはほんの一部で、
(頭の中だけ「お花畑」じゃなく、本当に「お花畑」の住民キター!)
と、議長猫のいわゆる「能天気」ともいえる性格を知っていた
担当猫たちはびっくりしていた\(゜ロ\)(/ロ゜)/!
怒りをおさめてないのがノラチームのリーダー猫である。
「なんでこいつがここにいるんじゃ!わざわざ天国の住人をここに出席させたということは、わしら生きるか死ぬかの猫たちに対して『天国良いとこ一度はおいで♪』ちゅうことで諦めて逝ね、という意味にゃんか⁈」
「いえ、そういう意味では決して💦」
議長猫は汗だくで弁解した、
にんげんが思うところの「汗だく」とはちょっと違う感じにはなっているが…。
「すでに死んどる奴をオブザーバーなんて特別枠で迎えとったら 、そう思うてしまうにゃろが!」
すでに死んでいるのワードを連発し、お前はケンシロウか?
と、サブカル好きの下僕を持った猫たちは内心思ったが、
皆リーダー猫の剣幕に圧倒され口をはさむことはできなかった。
「それに犬公の分際でわしらの会議にしゃしゃり出て!」
「『犬の分際で…』というのは聞き捨てなりませんね。そもそも私は犬であるからこそ、猫にはない視点で…」
リーダー猫とハチ公の会話がだんだん不穏になってきた。
「え~と、よろしいですか(∩´∀`)∩。」
議長猫が割って入った。
「猫ではない犬、ということでの不満の表明はおつつしみください。にんげん界には病に対応する世界的な組織があるのですが、情報を隠して病を広げたC国がお金を大量に出しているからということでその責任を追及されず、またC国の勝手な基準で国として認めてもらえないばかりかオブザーバー参加すらC国がいちゃもんをつけるからさせてもらえない地域があり、そんなことがまかり通っている団体が「人道組織」なんて名乗っているのです。同じにんげんの間でこのありさまです。もちろんノラチームの過酷な状況はわかりますし、どうしても言動が厳しくなるのはやむを得ないとしても、私たち猫や犬がにんげんの真似はしてはいけないのです!」
議長の話が終わると会場のあちこちから拍手が聞こえた\(^o^)/。
会議の進行も部下の方が優秀で、頭の中お花畑と
揶揄されていただけの議長が初めて存在感を示した瞬間だった。
ハチ公が続いた。
「そう悪い解釈をしてしまうくらい、追いつめられているというわけですね。わたしもご主人がなくなったばかりのころはずいぶんいじめられましてね。でも、新聞に記事が載ったのをきっかけに親切にしてくれる人が増えたのです。食べ物を持ってきてくれる人もいたのですよ。」
「そうそう、ハチさんは新聞記事がきっかけで有名になり、その後取り巻く環境もよくなってきたのですよね。私たちの活動もですね…。」
議長猫は相槌をうった。
「それの恩恵にあずかれるのはほんのひとにぎりの連中だけじゃろ!そもそも今のわしらが生きとるこの国では、フリーな猫に食べ物を与えるとその者が白い目で見られることもあるっちゅう状況じゃ!だからわしらはそれをあてにせず、黙って残り物を拝借しとったんにゃ!」
ノラリーダーが反論した。
「私たちが生きていたころからずいぶん様子が変わってしまったのですね。」
ハチは嘆息した。
確かににんげんたち自身が「外出自粛」を行う前から
猫は外に出すな!という風潮は、
特にハチ公やノラリーダーのいるJ国では広がっていた。
そのくせテレビという箱の中の映像を見る娯楽で
にんげんたちは外国の街を自由に歩き回る猫を見て
喜んでいるのだから矛盾もいいところだが…。
「にんげんを啓蒙したくてもそもそも社会が、下僕を持たぬフリー猫に冷たい仕組みになっている国もあるから厄介なんですよ。ハチさんがいたJ国なんて犬を銅像にするくせに今や…。」
議長猫はぼやいた。
「『国も…』ということは、そうでない”お国も”あるということですか?」
ハチ公が訪ねた。
「まあ、たしかにT国から来たわしらと同じフリー猫の話じゃと、飲食店が閉まって食べ物にありつけなくなった猫のために、フードをにんげんどもが巻いてくれているという話を聞いたにゃ。国が違うと同じフリーダムでもそんなに扱われ方が違うのか!と、驚いたにゃ!」
ノラリーダーが語った。
「なんだか、上の三匹だけで話がまとまりそうですニャ。」
忘れられていたかもしれないが、この話の主人公、
何の変哲もない一般猫マオがとなりのタマに話しかけた、すると、
「そこ、私語は慎むように!」
また注意されてしまった(-_-;)💦。
話を上層部お三方の会話に戻そう。
「それでは、にんげんがフリー猫に食べ物を与えることに寛容なお国にたいしては広報に力を入れ、そうでないお国には猫組織の方から現物を給付するという二段構えの対策でいけばいいのではないでしょうか?」
ハチ公が提案した。
「う~ん、広報はもともとわれらが組織が普段からやってることなので問題はにゃいが、現物支給となると…。」
話はまとまるのだろうか?
次回最終回、はこちら👇
作者あとがき(*^▽^*)
今回はワールドワイドに様々な批判もでて💦
そもそもWHOのやってることが気に入らなかったというのも
この物語ができたきっかけでもありますからね。
欧米の方での議長猫さんの言うことを聞かせてやりたい問題が出ているけど、
それを裏でかき回しているのの中に批判を受けている
中国の存在があるとかないとか?だから現実は一筋縄ではいきません。
ちなみに猫に親切なT国とはトルコのことです。
参考記事をどうぞ👇
猫は大切にされることが多いのです。
犬も猫も仲良くね(⋈◍>◡<◍)。✧♡。