今回は歴史もの。
幕末史で有名な勝海舟の妻民子にスポットライトを当てた記事です。
実は勝海舟に関しては、自分が運営している占星術ブログの方で扱っていたのですが、書きたいことが占星術の範囲を外れてしまったので、こちらの方で扱うことにしたわけです。
勝海舟とその妻民子
まずざっくり勝海舟とその妻民子についての話です。
勝海舟は西郷隆盛とともに江戸城無血開城を成し遂げた幕府側の人間。
いわば維新の英雄です。
貧しいときから苦楽を共にした民子は夫の勝海舟がほめたたえるほどの良妻。
しかし勝は出世をすると浮気がかなりひどくなり、数多くの女性を妾にして、正妻民子の住む本宅に同居させた、それでも波風絶たせないように民子は家を取り仕切ったが、死ぬ間際に勝の隣には埋めてくれるなと遺言したとの話です。
民子をあしざまに罵った漫画家
勝海舟の正妻民子は忍耐強く、開明的な勝の心を理解する資質も兼ね備えていました。
そういう彼女のことを、とある漫画家が悪し様に描きました。
小林よしのりの『愛国志士決起ス』。
本編は面白かったけど、最後にあった「妻妾同居の時代」の中の勝海舟の妻民子の描き方が腹に据えかねました。
勝海舟が本宅にて妾を多数同居させ、本人はうまくいっていると思っていたが、妻には恨まれていたことが描かれ、その後、小林氏ご当人がコマに出てきて
「恐いなこの話は恐い」
と、ご当人が震える絵柄で表現しながらさらに
「妻が陰湿だから恐い」
と、描いていました。
”陰湿”って何なのかな?
夫の浮気は許されるけど女の浮気は処罰されるような時代背景の中で、耐えて自分がやるべきことを果たし、その果てに死ぬ間際に本音を吐露したことが「陰湿」なんて言い方されなきゃならんとわね。
ジョークでも笑えません。
それから正確には勝民子は単に夫の隣がいやではなく、自分より早く亡くなった長男の小鹿の隣がいいと言ったのですね。
いくら正妻としてかしづかれてても気苦労は絶えなかっただろうし、そんなことはお構いなしに、どや顔で自慢げに家の様子を吹聴する夫なんて、心が冷めていっても無理はなかったでしょう。
そんな夫より、親より先に死んだ我が子の方に気持ちがいっても不思議はないわな。
それに「復讐」という言い方するとはね
夫が出世して妾(側室)を持ち心が離れていってからより、貧しくとも心がふれあっていた時期を「幸せ」と認識できるって、権勢欲の少ないまじめな人間性やハートウォーミングな感性を私は感じましたけどね。
それをいかにも邪悪な絵柄で、
本当は嫉妬で腹の中煮えたぎっているくせに黙って耐えて
夫が死んでから復讐しようとする妻…
とのコメント、ほんとなんなんでしょう( `ー´)ノ!
三流歴史ライターによる女の嫉妬による復讐ドラマ【北政所編】
占星術ブログの方でも書いたけど、民子のエピソードには、奇しくも今春4月からBSで再放送される『おんな太閤記』のねねの話と似通った点があります。
北政所ことねねの性格を推察するに、徳川方による淀殿を悪役にするための持ち上げが多少あったにせよ、民子同様、夫秀吉が作り上げた「権力」にもあまり固執せず、なおかつ秀吉子飼いの武将からは「まんかかさま」と慕われ、面倒見のよい性格だったのでしょう。
小林氏の「夫が死んでから復讐」とかいう認識。
二十代の頃に読んだ戦国時代の小説でも見たことあるわ!
関ヶ原の戦いや大坂の陣の前に、加藤清正や福島正則に北政所が徳川方に味方するように進言したのは、愛人とその子供に夫の天下を譲ってなるものかという「おんなの嫉妬」だったというドラマ展開。ねねの愚かな嫉妬心のせいで豊臣は天下を奪われたなんていいかたをしていましたっけね。
「生きてるうちは黙って耐えて夫が死んでから復讐」にこれも立派にあてはまりますよね。
その物語が文庫本で読んだという記憶があるだけで、作品名も作者名も覚えてないから、二流か三流の歴史ライターが書いたものだったのでしょう。
作者の小林氏にとっては、妻妾同居でもうまくいく家庭もあると主張したいにもかかわらず、夫の仕打ちに耐え死ぬ間際に本音を吐露した勝民子の逸話はさぞ目障りだったのでしょうね。
一夫多妻に憧れるのは勝手だけど、時代の女性に対する扱いの不当性にも耐えて、けなげに生きていた優れた資質と人間性を有していた女性を冗談でも貶めるような真似はやめてほしいですね。
☆本日の癒し~他人の子でも育てますニャ~☆
他人どころか他犬、いやそもそもマオは猫だから種の壁も超えている💦。
これは今いる子ではなく数年前の子犬との画像です。
今の子たちはまだそこまで大きくなっていませんので。
それではまた(^^♪。