宇宙猫苦難の旅路
母星滅びる
ねこ森町には五次元にも適応できる「宇宙猫」という存在がいる。
彼らはねこ森町のコロニー「ちきう玉」に由来する猫ではなく、別の星で生まれ文明を発展させてきた存在であった。
その天体の名は「レイニャ星」。
その文明は「ちきう玉」よりも進んでいて、宇宙にも進出していたが他惑星とも友好な関係を築いていた。
しかし、宇宙にはそんないいやつばかりが存在するわけではない。
ダークサイドに落ちていた帝国軍は各地に侵略を繰り返し、それに抵抗する反乱軍との争いを繰り広げていた。
帝国軍は新兵器「デススター」の試射実験のために、反乱軍の一員でありちょうどいい大きさだったレイニャ星を標的に定め木っ端みじんに吹きとばしたのだった。
さまよう宇宙猫
レイニャ星で避難が間に合って生き残った者は全人口の一割にも満たず、一部は難民として別の星に移住し、そしてまた別の一団は新たな移住先を求め宇宙をさまようこととなった。
移住先を見つけると言っても生易しいことではない。
条件のいい星は既にほかの生き物が暮らし文明を築いていることが多く、新たに入ってきた者との軋轢がどうしても起こってしまう。
さまよう宇宙猫たちはかつて侵略者たちに抵抗した高邁な理想を忘れ、彼ら自身が先住民を罠にかけ侵略を試みたが、それでもうまくいかなかった。
そして、何度目かのチャレンジ&失敗の後見つけたのだ「ねこ森町」という新たな移住先を!
ねこ森町への移住
そして案の定失敗……。
要するに悪事にむかない者たちなのであろう。
しかし、ねこ森町の住民は他の星の者と違い、彼らに移住を勧めた。
彼らの特性に合わせた仕事も紹介し、さまよう宇宙猫たちはようやく安住の地を見つけるのだった。
ねこ森町後日談
宇宙猫たちのさすらいの物語を聞いた猫たちの一部が、ちきう玉で流行ったある映画の内容に似ていることに気づく。
「それは私たちも気づいていました、私たちは透明になれるから映画館でもどこでも入りたい放題ですからね、全作無料で鑑賞させていただきました」
「デススターで惑星破壊のエピソードは我々のトラウマを大いに刺激しました」
「母星『レイニャ』に似た名のプリンセスが活躍していました、あれはどういうことでしょう?」
宇宙猫たちが言及した現象を猫たちは思案する。
ちきう玉という星はねこ森町だけでなく、多くの勢力がコロニーとみなしている。
その中には、宇宙で起こったことを人の頭の中にインスパイアさせる存在もいるのであろう。
そして、母星の名が姫君の名に転用されているのは、人が頭の中で構想を練っているうちにいろいろ事象が変化して認識されているからだろう。
なるほどとうなづく猫たち。
そしてある猫が、人間のものは別の、ねこ森町独自の宇宙猫の歴史『スター・ニャーズ』の映画を作れないか、と、提案する。
名案だと盛り上がる猫たち、でも体験の当事者が目の前にいるので、娯楽ものというよりはドキュメンタリー映画のようになってしまうのではないか?
まあ、それならそれでいいかもね。
おしまい
ブログ主追記
5月25日は「スターウオーズの日」。
1977年の同日全米で『スター・ウオーズ』の第1作が公開されました。
おまけ、数日前のマオ。
実はマオには侵略前の宇宙猫とエンカウントした経験がございます。
三年前の記事ですが、よろしければ一緒にお読みくださいませ。
全三部作、なつかしいにゃ。
それではまた(^^♪。