昭和ネコ令和を歩く

~Show a Cat walk in 00~

アンチコメントで見方が変わった漫画の話 ~『息子がいじめの加害者に』より~

今回は大原由軌子著、文藝春秋発行の『息子がいじめの加害者に?』という本の感想です。

 

作品紹介

ブログ主は普通の漫画はもちろん、実話をもとにしたエッセイ風の漫画も好きで、それで今までユーザーの相談をもとに脚色したママスタやウーマンエキサイトの漫画についても記事で紹介してきました。

タイトルの漫画はネット連載から2020年に書籍化され、日本テレビの『世界一受けたい授業』でも紹介されたそうです。

「そうです」というのは、図書館で同書を借りて読んだ後色々調べて知ったからです。

 

 

初見は作者と同じ目線で読んで

話の内容をざっくり読むと、作者の小学生の息子がいじめの加害者として呼び出されました。

最初は相手の親に平謝りしていたけど、そのうち朝礼で校長先生のいじめについての話で結果的にさらしものにされるような目に息子があったり、相手(S家)の母親からいつまでも責め立てられたりしているうちに、被害者サイドに恨みを募らせます。

そして加害者作者の夫がS家の母親のFBを調べて日常生活の情報を得て、学校側に巧みにS家の方をモンペと認識させて、最終的にその母子を地域から追い出して勝ち誇る内容です。

基本的に初見では(誰でもそうかもしれないけど)、作者と同じ立ち位置で読みます。

いかにS母を「成敗」するのか?という点をスパイ小説でも読む感じで、ハラハラしながら読みました。

 

アマゾンのアンチコメント

さて初見はそうでしたが、そのあと自分でも何を思ったのか?

この本について検索し始めて、批判が多く殺到してることを知りました。

特にAmazonですね。

目算ですが九割ぐらいは批判的なコメントでした。

 

一杯目と二杯目で違う味わい?

それを読んだ後でもう一度、各エピソードを見直すと、まるでオセロゲームで白が黒に代わるが如くでした。

 

ひつまぶしという名古屋発祥のウナギのメニューがあるのですが、一杯目は普通にうな丼として、二杯目は薬味をのせだし汁をかけうな茶漬けとして食します。今までうな丼だったマンガが、批判コメントというだし汁をかけたとたん、味わいが全く変わるかの如くでもありました。

描かれている内容は同じなのに、読んでいる自分の解釈は大きく変わる、そういう意味では貴重な体験をさせていただきました。

 

別に出版社ほめてないけどね、念のため、ただの皮肉だから。

 

加害者が被害者親子を追い出し勝ち誇る?

そもそも初読でも、加害者サイド(作者)がプライバシーを調べただけなら、S母がそこまで怯えなくてもいいのになぜに?と、いうところは疑問に思っていました。

(そういう無意識下の疑問が調べるという行為につながった?)

 

その点に関しては、旦那は東京出身でライターやってるらしいが、佐世保の素人主婦相手に培ったスキルを最大限使って追い詰めていく姿をずーっと書いてるのがある意味凄いなと。」と、いう感想が腑に落ちましたね。

 

漫画には描かれていない悪辣な手段を用いて彼女を追い詰めたのでは?との疑問もわきゾッとしましたし、そんな旦那を頼もしいわと言わんばかりに見つめる作者?

そもそも、そんな一般人の声が出ることを思い浮かばなかった文芸春秋日本テレビにも疑問を感じます。

そんなメンタリティだからこそ、好からぬことをして批判を浴びるメディア関係者のことを、すぐに一般人のネットいじめとして批判を封じ込めようとする振る舞いに出ることができるのでしょうね、メディア関係者たちは!

 

こちらは本の裏表紙ですが、その見出しからして、巧みに

「加害者サイドが実は被害者なのだよ」

と、思わせる作りになっております。

 

被害者面して結局弱い者いじめ

いじめ加害者だった作者側の不満をざっくりまとめると

  1. 相手の親が責め立てすぎる
  2. 息子よりもっと粗暴で悪い子がいる
  3. 息子たちの蛮行は暴力的な教師の悪影響じゃないか?

1に関しては、私が以前書いたママスタ漫画の記事のエピソードと、話の骨格がほぼ同じなんですよね。

mishablnc.hateblo.jp

その漫画では友達の説得が神っていたけど、メディア業界って「いじめ」を軽く見て、加害者サイドが被害者面するのがスタンダードなんでしょうかね?

 

3に関しては最後にその教師が教育委員会預けになることで落ち着いていました。

 

そして2ですが、作者の息子よりさらに粗暴な子たちの親は学校の呼び出しにも対応せず打つ手なしの状態だったのです。

そういう子たちの存在こそ問題で、なんらかの対応が必要なのに、加害者作者は直に自分たちを責め立てた被害者母に恨みを募らせていきます。

それって結局攻撃しやすいほうを攻撃しただけじゃないですか⁉

被害者の親が加害者側にきつく当たったのは事実ですが、それをしばらく我慢した後、相手の強い態度を逆に学校側にモンペと思わせるような心理戦。

被害者サイドのFacebookを調べたり、聞き込みをしたりしてプライバシーを知っているというプレッシャーをかけるやり方はまるでやくざそのもの。

 

加害者親がこういうことをするからこそ、旭川の事件など非常に凄惨な事件でも加害者サイドに寄った対応をする学校が後をたたないのだな、と、しみじみ思いました。

 

☆本日の癒し~エアガンで猫を撃つやつら~☆

加害息子は、もっと粗暴な子らにエアガンを借りて、駐車中の車や猫を撃ったことも白状していました。

エアガンを子供が持って遊ぶ環境が普通だったというのも信じられないです。

息子は「猫は好きだからわざと外して撃った」と弁解してました。

それを息子は根は悪くない子なのよアピールに使っているように見えましたが、外して撃っても猫にしてみれば怖いだろ!

それに駐車中の車を撃つのは器物損壊だしね。

エアガンで猫を撃つような連中をNNNはちゃんと仕置きしてくれたのだろうか(マオ)?

 

いじめ加害のエピソード自体は10年くらい前の話なのですけどね…。

 

それではまた(^^♪。