プロローグ
やわらかな草原
二匹の白い子猫が追いかけっこ、そしてじゃれあいます。
「やった、またぼくの勝ち!」
体が大きいほうの子猫が叫びます。
「ぎにゃー!」
小さいほうの子猫が悔しそうにさらに大きな声で叫びます。
「あっ、あのなっ、とっくみあいで勝ったからってそれだけで強いわけじゃないぞ。脚は今でもぼくのほうがはやい!ぼくが本気で走ったら、おまえは追いつけないから!待ってやってたら、おまえがとびかかってきて…。」
小さいほうがまくし立てます。
「それでも勝ちは勝ち!」
大きいほうも主張します。
「ちがうもん、ぎにゃー!」
小さいほうが叫びます。すると、
「こりゃ、うるさい!みんなの昼寝の邪魔じゃ。」
二匹の頭上から声をかける猫がいました。
それはここにいる猫たちよりはるかに大きく、後ろ脚だけで人間のように二足歩行している猫でした。
「猫博士!」
と、二匹の子猫はその大きな猫のことを呼びました。
(みんなっていうけど、半分以上の猫は起きてたじゃん。みんなじゃなくて自分の昼寝の邪魔だったんでしょ。)
子猫たちは思ったけど口には出しませんでした。
子猫が不満そうな顔をしているのをよそに猫博士は遠くのほうを見上げ、
「ほう、虹がかかりかけている、誰かの迎えが来たようじゃ。」
と、言いました。
猫博士や子猫たちから少し離れた、犬たちが集まっている場所。
その中の一匹が体をブルブルふるわせた後、猫博士と同じく二足歩行している犬に向かって
「ぼく行きます。お世話になりました。犬賢者さま。」
と、言い、その後、瞳をキラキラさせながら、遠くから近づいてくる人影に向かって走っていきました。
虹の橋が犬や猫たちのいる草原とはるか向こうの岸をつなぐと、一緒になった人間と犬はそこを一緒にわたっていきました。
「ねえ、時々かかるキラキラした橋は何なの?」
「あの時々やってくる人間は何なの?どうしてここの犬や猫を連れて行ってしまうの?」
白い子猫たちが疑問を口にしました。猫博士は、
「うむ、お前さんらもだいぶここに慣れてきたようだし、そろそろいろんなことを知ってもいいころじゃ。」
と、言いました。
肉体を失ったたましいはさまざまな道を通って天国にわたります。
そのさまざまな通り道の一つに
動物たちのたましいの集う場所がありました。
柔らかな草原、小高い丘、温かな日差しが降り注ぎ、水や食べ物も豊富で、そこにやってきた犬や猫たちはのびのびと遊んでいるのです。
続きです('ω')ノ。
☆作者あとがき☆
以前の記事でも紹介したことがありますが👇
舞台は死んだペットたちのたましいが行くという
虹の橋のたもとです。
モデルとなった二匹の白子猫はこの子たち👇
かつてうちにいた黒猫チビと一緒にうまれ、
成猫になる前にあちらの世界へ行った子たちです。
その時の記事はこちら👇
実はこのお話はチビが病気だった時に思い浮かんで
その後、どこかにまとめて発表する場がないかと思い
ブログをはじめてみたものの、
途中で執筆は止まりそのまま塩漬けにしていました。
ストーリー自体は頭の中で出来上がっているのですが、
まだ未完成なのでどのくらいのペースでアップできて、
どのくらいの長さになるかは自分でもわからないのですが、
お読みいただければ幸いです<(_ _)>。